【研修報告】みらいずworks ネイチャー・ダイアログ in 五頭


2021年9月、五頭山麓の豊かな自然の中でみらいずworksさんの企業研修を行わせていただきました。
今回は終了後のアンケートの回答を紐解く形で報告を進めていきたいと思います。
※みらいずworks → https://miraisworks.com/
 みらいずworksのみなさん、お忙しい中アンケートへのご協力、ありがとうございました!

▼まずは1分間動画で概要をご紹介

今回は撮影もさせていただきましたので、まずは1日の研修を1分間にまとめた動画でこの日の研修の概要をご確認ください。つなラボでは今回のように自然の中で行う体験型の研修を「ネイチャー・ダイアログ~企業編~」とよび、組織が継続して成果を出してくための戦略的な研修としてお勧めしています。この記事では、アンケートの生の声から自然の中での研修効果についてお伝えできればと思います!

▼ネイチャーダイアログとは?
ネイチャー・ダイアログは、森や沢などの自然の中での体験と対話を通して、「関係の質」を高めることでチームのクリエイティビティを高め(思考の質+行動の質)、最終的な「結果の質」の向上を目指す研修です。組織において個人が生き生きと働けること=「個人の幸せ」が、組織の生産性向上=「組織の幸せ」につながることを目指す、体験型の企業研修です。


▼アンケート回答①
「自然物をメタファーに考えるワークがとてもクリエイティブ」
「思っていることが引き出された感覚があった」

これは自然の中で研修をすることで得られる大きな効果のひとつ。いつもの会社や事務所を離れ、自然の中でステップを踏みながら五感を開いていくことで、日常と異なる思考を引き出すことができます。

今回みらいずworksさんでは10周年という節目を機に、そもそもの組織の存在目的を考え直すことや、メンバーの全体性をより活かしていくことが研修のテーマでした。いつもの仕事の延長線上ではなかなかたどり着くことが難しいテーマですよね。

自分たちのチームが持っている力はこんなもんじゃない、もっとクリエイティブな答えや解決策を出せるはずだと思っていても、やるべきことに追われるビジネスの中では、メンバーが持つクリエイティビティを発揮するのが難しくなりがちです。

日常から一歩離れ、自然の中で立ち止まって丁寧に感じてみたり、自然の中からインスピレ―ションを得たりすることから生みだされてくるものが必ずあります。「大変クリエイティブな感じで、想像力を使っていつもより自分の考えを話せた」という声もありました。


▼アンケート回答②
「沢の水の流れる音を聞きながらの対話は
 言いづらいことも言いやすかったです」

私たちはビジネスの中で、様々な問題解決のために、よりよい成果を出すために日々話し合い、議論を行っています。議論は主に目に見える現実や数字を元に「思考」をベースに行われます。ただ、チームメンバーとのコミュニケーションが思考だけに偏ってしまうことで、

「会議で決まったはずなのに誰も動かない」
「論理的には正しいが、やる気が起こらない」

ということが起こってしまうことがあります。みなさんの職場はいかがでしょうか?

これに対しネイチャー・ダイアログで行う「対話」は、議論とは質感の異なるコミュニケーションです。対話は議論とは異なり、問題解決や結論を出すことを目的としません。お互いの感情や価値観をしっかりと受けとめあい、理解しあうことが対話の目的です。目に見える現実や数字、思考の背景にある感情や価値観を受けとめ合う「対話の深みのある議論」をすることが、メンバー間での深い合意形成やそこに関わる人の主体性に大きく影響します。

もちろん対話は室内でもできますが、このようないつもと質感の異なるコミュニケーションがとりやすくなるのも、自然の中に入る大きな理由のひとつです。自然の中で五感が開放され感情や感覚を取り戻していくことで、いつもとは違う一面が見えたり、安心してコミュニケーションができる状態=心理的安全性が高まっていきます。ふだんは言いづらいこともやわらかさを伴って伝えやすくなりますし、受けとる側も素直に受けとることができます

「事務所で話すよりリラックスして落ち着いて話すことができた」、「意外だなと思う面もありおもしろかった」といった声もありました。



▼アンケート回答③
「柔軟にプログラムを調整いただき、
 アクティビティ時間が長かったのは大変感謝です」

この回答にあるアクティビティ時間は、研修の中の自然体験の時間のことです。そもそも企業研修は全員が集まることも難しい中で実際に顔を合わせることができる貴重な時間となることが多いため、全員で話し合う時間をなるべくとりたいという思いが当然でてきます(体験よりも話し合いの時間を多くしたい)。しかしせっかく森の中にきた効果を最大限にしクリエイティブな話し合いをするためには、感覚を開くパートではしっかりとそれが実現できるよう参加者の様子を見ながら予定より時間をのばすといった調整を柔軟にしていきます。ネイチャー・ダイアログを実施するときには、企業側の担当者とこのプロセスについての意図合わせ(自分とつながる→仲間とつながる→生み出す)をしっかりと行っておくことが、自然の中での研修効果を高める上で極めて重要だと感じています。

つなラボでは以下の3つのステップで研修を組み立てています。これまでご紹介したアンケートの回答①②も、適切なステップを踏まなければ得られなかったものだと考えています。自然の中に入りさえすれば同じような効果が得られるわけではありません。自然の中でのガイドや体験活動を積み重ねてきたつなラボのノウハウを最大限生かしながら、それぞれの企業に合わせた研修の組み立てを意識的に行っています。


▼アンケート回答④
「日常ではあまりはしゃげないので楽しかった!」

忙しいビジネス環境の中、自然の中での研修を実施するために移動時間を含めて時間を確保することは、組織にとってもメンバーにとっても大変なことです。そのようにして時間をとっていただいたからこそ、私たちは短い時間を最大限有効に使うためのデザイン、このチーム、メンバーにとって外せない要素が何なのかということを考えて研修を実施しています。その中でも特に大事にしていることのひとつが、「楽しい」「はしゃぐ」「童心に帰る」という要素です。

これは単に楽しい時間を過ごしてもらいたい、リラックスしてもらいたいということだけが目的ではありません。思考に偏った日常から感情や感覚に目を向けるために、自然の中で五感を開いて自分とつながるステップを踏んでいきますが、短い時間の中でそれを実現するにはそのためのきっかけや場づくりが重要になってきます。いわゆるアイスブレイク的な活動やたき火を囲む時間も含め、自然が持っている楽しさを引き出したり、メンバーの中にある意欲ややる気、内発的動機を最大限引き出すためのデザインを常に意識して行っています。この点において自然の中での体験が与えてくれる効果は本当に大きなものだと毎回実感しています。

      ※まだ暑い時期だったのでしっかり水に入る人、足だけ水に入る人と様々でした!

▼アンケート回答⑤
「みんなとの距離が縮まりうれしい」
「みんなのことを大事にしていきたい」
「メンバーへの愛が深まった。胸がじんわり温かくなった」

自然の中での共通体験や、お互いの感情や価値観を受けとめ合う対話を通して、HowやWhat(どのようにやるか、何をやるのか)のやりとりが多い普段の仕事でのコミュニケーションから、それぞれのWhy(なぜやるのか)を踏まえたコミュニケーションがとれるようになっていきます。このプロセスの中でお互いの中にある違いを感じると同時に、同じチームに属するものとしての共通点や根底にある深い願いも共有されていきます。結果としてこのアンケート回答のように、チームとしての一体感が高まっていきます。

今回はメンバーの全体性について理解を深めていくために、それぞれの長所と短所を共有するワークを行い、それを日常の仕事につないでいくための時間をとりました。またいわゆる「同じ釜の飯を食う」ということで、五頭山麓の素材を活かしたおいしいお弁当を全員で屋外で食べたことも、チームとしての一体感を高めるとてもよい時間だったと感じました。



▼アンケート回答⑥
「感覚を研ぎ澄ましたり自然の美しさを思い出すため
 定期的に自然に触れたい」

つなラボでは、定期的に自然の中での研修を行うことをおすすめしています。数字や結果が重視されるビジネスでは、どうしても「関係の質」※が悪化してしまいがちであり、「関係の質」を定期的にメンテナンスすることは、チームが継続して成果を出していく(結果の質)ための重要なポイントだと考えています。自然の中で得られる様々な効果を組み合わせていくことで、チームの関係の質のメンテナンスにつなげていくことが、ネイチャー・ダイアログの大きな特徴です。スティーブ・ジョブズが日常的に瞑想をしていたことや、マインドフルネスが企業で取り入れられ注目されているように、メンバー個々の感覚を研ぎ澄ませていくことは、過去の延長線上にない新しい答えをチームで生み出すための土台であるとも言えます。しかしマインドフルネスや瞑想は習慣化しないとなかなか実践が難しいものです。自然の力を借りながら同じように感覚を研ぎ澄ませていく時間をとるほうがより現実的だと私たちは考えています。ネイチャー・ダイアログを実施する季節や研修に使える時間などによって、その時々の適切なフィールドを様々ご用意していますので、ぜひご相談ください!

※組織の成功循環モデル(ダニエル・キム教授/マサチューセッツ工科大学)
組織としての「結果の質」を高めるには、一見遠回りに思えても、組織に所属するメンバー相互の「関係の質」を高めることが重要であるというモデル。どんどん組織がよくなっていく成功の循環サイクルにもなるが、どんどん組織が悪くなっていく失敗の循環サイクルにもなりうる。



▼アンケート回答⑦
「研修後(存在目的の)言語化を試みたのですが、
 前向きにみんなが楽しく言葉を生み出しているなぁ
 と感じられてうれしかった」

みらいずworksさんでは、今回の研修後に10周年という節目を迎えたこともあり、これまでに築いてきたものを大切にしながらも、そこに縛られずにこれからの活動をつくっていくためにこの研修の時間を活用したいという要望がありました。組織の存在目的についてもすでに見直し作業を進められているところで、ネイチャー・ダイアログの4日後にはそのための会議があることもお聞きしていたので、今回の自然の中での研修がどうその会議につながっていくかということを常に頭に置きながら研修を設計していきました。その後の会議でみなさんが自然の中で得たインスピレーションも活用しながら前向きに議論を行い、みらいずworksならではのやさしい力のある存在目的が確認されたとお聞きし、とてもうれしくなりました。

みらいずworksさんでは、今後も定期的に自然の中での研修を行うこととなっています。また次のステップへとともに歩いていけることを楽しみにしています。今回はアンケートにもご協力いただき、本当にありがとうございました~! 



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