【プログラム報告】1dayナチュラルリトリート～癒しの森の音～

５月19日（日）
1dayナチュラルリトリート～いやしの森の音～
開催しました！

お天気にも恵まれ
良い時間を過ごすことができました。

シャワークライミングやカヌーなど、つなラボが行うネイチャープログラムの特徴は
思考優位な忙しい現実の中であまり目を向けられていない、心と身体の感覚を開き
頭と心と身体をつないでいく自然体験のパートと、
その開かれた感覚で、今ここにわきあがってくるあるがままの自分の感覚や感情を、
その場にいる人たちと共有し受け止め合い、お互いに刺激を受けあいながら、明日からの日常に歩き出す為の想いを育む２つのパートからなっていることにあります。

今回の舞台は長岡にあるブナ林です。
人があまり訪れることのないブナ林の中で自分達だけの時間を過ごします。

まずは森の中でオリエンテーションからスタート
リトリートにおいて大切にしていることを伝えつつ
それぞれの事を知り合う時間もつくり、少しづつ緊張をほぐしていきます。
そして、身体や呼吸に意識を向け体感覚を大事にしながら森へと出発

新芽の葉っぱを触ったり、草笛をしたり、杉の香りをかいだり、葉っぱで遊んだり、キツツキの穴を見たり、森の音を聞いたり、五感を使いながら森と徐々に親しんでいきます。
木や森の循環のことを、知識ではなくまさに目の前に起きていることの中から感じていきます。

今日の目的地は
この森のお母さんであるブナの巨木です。
きっと樹齢200年くらいは経っているのではないかと思われるブナの前で
私たち人間よりもずっと長い、その歴史を感じる時間でした。

そして、森の中で好きな場所を見つけて静かに1人たたずむ時間を過ごしました。
言葉や頭ではなく、感覚として森と自分自身の境界が曖昧になり一つになっていく時間でした。

森を満喫した後は
森の中でお昼の時間。

それぞれ思い思いにお昼を食べた後に
原さんのハンドパンの音色を味わう時間でした。

最初はハンドパンの音色が特徴的に感じられていたのに
途中から、森の音の一つとしてハンドパンの音色が聞こえてきました。
頭のノイズレベルが下がり、ふわ～っと心地よさを感じる時間でした。

みなさんの身体と心がゆるまるレベルがマックス。
30分以上演奏してもらったのですが
本当に一瞬に感じられた、魔法にかけられたような時間でした。

ハンドパンの後は
今の自分自身を感じる時間として
言葉だけではない、対話の時間を過ごしました。

言葉にできない感覚や、説明できない衝動など、人の内側には
様々な感覚的な要素が存在しています。

論理的であることが求められる社会の中で
言語優位、思考優位なコミュニケーションになりがちですが、
VUCAの時代、そのようなコミュニケーションが創造的な成果に
つながらないという問題を抱えた企業が増えています。

つなラボでは、言葉にならない感覚や感情にも目を向け、
それらを論理的ではないものとして否定せずにあるがまま出して共有することが、
創造的な成果、イノベーションにつながっていくと考えています。

それは企業や学校だけでなく、個人を考えてみても、同じことが言えます。
理由なくわいてくる感覚や感情、衝動といったものが、
新しい自分の道をつくっていく上で必要なものかもしれないという視点を取り入れていくと、これまでとは違う新しい世界が開けてきます。

今回のプログラムでも、森歩きやハンドパンの時間を過ごし
「身体性」や「感覚」を取り戻した状態で
まずは身体で今ここの自分を表現することから始めました。

身体を使っての表現は、大人になるとあまりやる機会がないのではと思います。
今これを読んでいる方も、そういうことをするのは恥ずかしいな、嫌だなと思われる
方もいるかと思うのですが、自然の中がすばらしいのは、このような自分自身の中にある「あるがまま」を表現する心理的ハードルを下げてくれるところにあります。

身体で表現した後は
森の中に落ちているモノを一つのサインとして捉え
問いをきっかけにそのモノと自分自身との対話を進め
それを他者と共有することで、自分自身を捉える上での他者からの刺激をもらう
そんな時間でした。

最後は、今日感じた感覚や想いを、明日からの日常に持ち帰る為に言語化し
それを全体でシェアします。

この森の中でのリトリートが
皆さんの日常の中の切り離された非日常の１日として、忘れ去られて行くのではなく
毎日の連続の中にたしかにあり、ここで感じた感覚や想いを、日常においても大切にしていく為に何ができるのか、そんなことをみんなで共有しあいこの森での時間を終えました。

長い時間森の中で過ごすと
場所を離れるのが寂しくなりますね。
そんないつまでもここにいたくなる安心する場所でした。

ご参加いただいた皆さん
そして、この場所を整備して下さっている皆さん
そして、豊かな森の恵みに感謝です。