【研修報告】アウトドア専門学校でのインタープリテーションの授業

梅雨を感じる間もなく、いきなり夏!
毎日暑いですね~

そんな暑い中
春から始まった全24コマの国際自然環境アウトドア専門学校での
『インタープリテーション』の授業が終わりました。

インタープリテーションという比較的ファジーな概念を
どう捉え、どう考え、どう自分なりに意味や価値を見つけてもらうのか。
結構悩みながら進めました。
※インタープリテーションについて書いた過去のブログはこちら


授業としては
まずは、過去のインタープリター達の残した言葉や概念、体系だったテクニック等を頼りに、こんな感じかな?というざっくりとしたインタープリテーションの枠をつかんでもらいました。
また、私が学校の近くの森の案内をして、一つのインタープリテーションの実施例を見てもらいました。


ただ、こちらの想いとしては、過去からの文脈は知りつつも、既存の概念にとらわれず、自分なりのインタープリテーションを見つけて欲しいし、つかんで欲しいと思っていたので、「〇〇がインタープリテーションです。」とは、最後までこちらから発信はしませんでした。


その状態で、自分の興味の分野に向き合い、興味を深堀りし、自分なりの伝えたいメッセージを考え、個々のインタープリテーションの実施準備に入っていきました。

なので、途中は結構カオスな状況に。。。



・インタープリテーションとガイドって何が違うの?

・自分の興味のある分野がわからない。。。

・自分のやりたいことと、地域資源が結びつかない。。。

・やりたいことはあるけど、体験が思いつかない

・結局インタープリテーションって何なんだっけ?


などなど。。。
いろんな悩みや葛藤の声がありましたが
そのカオスを、仲間の力を借りつつ乗り越え
最終的には、それぞれが考えてきたインタープリテーションの発表が無事に実施できました。




・砂防公園の歴史
・植物の不思議
・ムクドリの魅力
・焚き火と里山
・いもり池と植物
・関山神社と歴史
・関山駅とその魅力


など、自然の分野にとらわれず
いくつかの制約の中で、今自分が一番伝えたいと思うテーマを
それぞれが考えて、表現してくれました。


うまくいったこと、うまくいかなかったこと
きっとたくさんあったと思いますが。

自分で考え、準備し、実際に実施したことで
最初にそれぞれにあげてもらったインタープリテーションの捉え方と
最後のふりかえりで、あげてらもった言葉では、全然言葉の深みや表現が違くて
この授業を実施した価値があったな~と感じることができました。


最後の授業のふりかえりで
インタープリテーションとは

・興味をもってもらうきっかけ
・わかりやすく伝え解説することで、気づきや学びを与える
・説明より体験が大切
・インタープリテーションは自由でいいんだ
こんな感じのことが表現されていました。


また、最後の授業の感想やアンケートの声を少しだけランダムにピックアップすると

・インタープリテーションの授業が前期だけで終わっていいのだろうか?
・前期の授業で一番好きな授業でした。
・結局インタープリテーションが何なのか、捉えどころがない難しさがある。
・この授業では、自分の意思を尊重してもらっている気がしたので、納得いくまで追求出来た。
・この授業の中で、自分の探求ができたので、今後に活かせそうです。

などなど、悩ましい声と共に
うれしい声もたくさんありました。




今回授業を持たせてもらって感じたのは。
「どこまで彼らを信じられるのか」が大切。ということです。

インタープリテーションというとてもファジーな概念を、
こうです!とわかりやすいレールを敷かずに自分達で考えてもらうことで、
途中はかなりカオスな状態になりましたが
最終的にそれぞれが自分なりの結論を出して準備し実施し、
自分なりの学びを持って帰ってもらったのではないかと思っています。


信じて待つ。
言葉で言うのは簡単だし、できてる気になっていることもよくあり
自分自身待てないこともよくありますが。。。
今回は焦ることなく、信じて待つことができました。
それはきっと、普段から自然に触れあっている若者達だからこそ、
何か言葉ではうまく表現できない「信頼感」みたいなものが自分の中にあり、あまり疑うことなく信じて待つことができたのかな、と。


自分にとっても学びの多い
いい時間を過ごすことができました。
今回の機会に感謝です。


小原けにー

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